こんにちは、渋谷で働く人事のブログです。
先日お伝えしたとおり、企業研究で必ずチェックしていただきたいポイントは、大きく分けて4種類あります。
今日はそのうちの1つである、企業の「貢献性」について考えてみましょう。
企業の存在意義は何か
「企業の目的は何か」と問われて、あなたは何と答えるでしょうか。
利益追求だけが目的ではないと思っていても、じゃあ何を目指すべきなのか、即答できる方は少ないかもしれませんね。
「経営学の父」と呼ばれるピーター・ドラッカーは、下記のように述べています。
事業体とは何かを問われると、たいていの企業人は利益を得るための組織と答える。たいていの経済学者も同じように答える。
この答えは間違いなだけではない。的はずれである。
(P・F・ドラッカー著『現代の経営』より)
誤解があるといけないので補足をしますが、ドラッカーは「利益は不要だ」と謳っているわけではありません。
当然、企業が存続していくためには利益を出し続ける必要があります。
しかし、それはあくまで手段であり、利益が目的になってしまってはいけないということです。
では本題にもどって、企業の目的とは何なのか?
それは「誰かの(社会の)役に立つこと」に他なりません。
企業は利益のために存続しているのではなく、社会的な役割を果たすために存在をしているからです。
ぜひとも、身近なビジネスパーソンに聞いてみてください。
「あなたは利益のために働いているのですか?それともお客さんや社会のため、あるいは自分自身のために働いているのですか?」と。
ほとんどの方は後者と答えることでしょう。これは一従業員のみならず、経営者クラスでも同じです。
もちろん、利益が重要でないということではない。利益は、企業や事業の目的ではなく、条件なのである。
また利益は、事業における意思決定の理由や原因や根拠ではなく、妥当性の尺度なのである。
(P・F・ドラッカー著『現代の経営』より)
貢献性の指標とは
それでは「その企業が社会の役に立っているか」は、どのように推し量ればよいのでしょうか。
貢献性の指標となる観点はいくつかありますが、まずは下記の2つを意識してみてください。
いずれも多くの企業が発行しており、様々な業界・企業で比較ができるというメリットもあります。
企業の「本業」である経済活動において、市場からどれだけの評価をされているかが数字で明確に示されています。
売上やシェアは、すなわちどれだけ多くの人の役に立ったかを表したもの。
前段の主張とは逆説的なようですが、企業を選ぶうえで「利益を出し続けているか」という観点は極めて重要です。
なぜならば、社会への貢献性を追及していくと、結果としてそれは社員満足や顧客満足につながり、社会的な評価の表出である「利益」を押し上げることにつながるからです。
また、利益を出せない企業は存続することができず、必然的に(長期間に渡って)社会の役に立つことはできなくなってしまいます。
② CSRレポート
以前にもご紹介したとおり、ここ10~20年程度で、企業評価におけるCSRの重要性が増しています。
合同説明会などで各社のブースを覗いてみると、事業活動だけでなくCSR活動に言及している会社を多く見るようになりました。
昨今の就職活動・採用活動を見るに、CSRへの取り組みが、企業選びにおける重要な指標のひとつとなっていることを感じます。
おわりに
利潤(企業の場合)や給与(個人の場合)を追求する姿勢を否定するつもりはありませんが、それだけでは窮屈です。
そもそも「誰かの役に立ちたい」「誰かの喜ぶ顔を見たい」というのは人間の本能に根ざした欲求であり、自身がプライドを持って働いていくためにも欠かせない観点だといえるでしょう。