こんにちは、渋谷で働く人事のブログです。
面接において自己PRを「盛る」のは、私が就職活動をしていた頃から半ば当たり前とされてきました。
巷でも色々と囁かれてはいますが、実際に履歴書やESを見ていると、サークルの副代表やら、アルバイトリーダーやら、ボランティアで○○やら、ゼミ活動で××やら…。
実際に自己PRを誇張した場合、あるいは完全に創作した場合、面接などで採用担当者が嘘を見抜くことは可能なのでしょうか?
また、すべてを正直に伝えた場合と比較して、学生にとってはどのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか。
そんなことを考えてみました。
※便宜上、誇張も含めて「嘘」と表記しています
嘘は見抜けるのか
これまで数百人を面接した経験から、仕草や表情、表面上の会話で嘘を見抜くことは難しいと言わざるを得ません。
心理学の観点から、嘘をつくときは目線が○○になるとか仕草が××するとか諸説ありますし、それを参考にしようと考えたこともありましたが、
実際に会話の中でそこをジャッジし判断基準にしている面接官が多数派だとは思えません。
同業者どうしで会話をすることもありますが、「まあ、見抜けないよね」というのが定説です。
もちろん発言内容・表情・振る舞いなどから総合的な「不自然さ」みたいなものを感じることはありますし、
バレバレの方も中にはいますが、ほとんどの方はそれなりの準備をしてきますので、堂々としたものです。
嘘はバレないのか
では、面接で嘘をついてもバレないのかというと、必ずしもそういうわけではありません。
短時間の(あるいはグループ面接など個別にじっくり話す時間がない)面接ならともかく、
1対1で、じっくりと細かい事実関係をヒアリングしていけば、嘘をついている場合は自ずとつじつまの合わないところが出てきます。
中には30分話しても1時間話しても平然と嘘をつき続けられる方はいますし、
それはそれで立派な能力だと思います(一緒に働きたいとは思いませんが)。
とはいえ、事実を多少膨らませて話すくらいならともかくとして、完全な「創作」はほぼバレると思った方がよいでしょう。
嘘にメリットはあるか
それならば、周到な準備をして、バレない嘘を突き通せばよいのか?
こう考える方は、面接や書類選考の通過が手段ではなく目的になっています。
選考をクリアするのは目的ではありません。
就職活動における本当の目的は、自分にフィットする会社を見つけ、その会社と相互に理解を深め、入社後も幸せに働くことのはずです。
身の丈にあわない会社に背伸びをして入って、それで幸せになれればよいですが、
そうならなかった人が多いことは大卒3年後離職率が3割という現実が示しています。
おわりに
企業は学生の「過去」だけを見て採用の可否を判断するわけではありません。
一緒に働きたいと思えるか、今後成長することが期待できるか、そして本人が自社で働くことを楽しい・幸せだと感じてくれそうか、こういった観点からジャッジをしています。
採用選考で嘘をつくことには、デメリットしかありません。
小手先の駆け引きに気を使うのではなく、本当の目的を思い出してくださいね。