渋谷で働く人事のブログ

渋谷区の一部上場企業で、新卒採用を担当しています。年間1,000名以上の就活生と会う中で感じることや、日々の考えをシェアします。

資格による就活の有利・不利について

こんにちは、渋谷で働く人事のブログです。

例年、就活対策で資格の取得を目指す大学生が大勢います。このブログをご覧になっている方の中にも、いらっしゃるかも知れませんね。

確かに役立つケースもあるのですが、採用担当者としては、それを期待して資格取得を目指すのは少し違うんじゃないかな、と思う次第です。

今日は、就職活動における資格の有効性について、書いてみました。

資格は手段であり、目的ではない

はじめに断言しておきますが、万人に共通の「有利になる資格」なんてものはありません。就活で有利になる資格を知りたいと思ってこちらのページを訪れた方を落胆させたかもしれませんが、その理由についてまずはご説明をします。

なぜ資格を取るのか。それは、「○○という仕事において必要な××という知識・スキルを持っている裏づけがほしいから」であり、就職活動において有利になる資格があるとすれば、「その資格を持っていることが、特定の業界で成果を出すための要素を備えているという証左になるから」です。すなわち、本来であれば業界によって、会社によって求める資格は異なるものなのです。

有利になる(かも知れない)資格とは

仕事と直結する資格は、受ける業界によっては有利(というか必須)です。例えば不動産業界における宅建保険業界におけるFP、証券業界における簿記など。これらに関しては、その業界に対する志望度の高さをアピールする材料にもなりますので積極的に取得しましょう。
というかどうせ入社後に取らなければいけなくなるので、時間に余裕のある学生のうちに取得しておくことをオススメします。入社後にその分の時間が浮く=他のインプットに使える、ということになりますからね。

しかし注意点として、志望業界とは別の業界で必須となる資格を取得していると、志望度を疑われるリスクがあるということが挙げられます。また、独立開業が可能な資格(行政書士、税理士、中小企業診断士など)も場合によっては「ウチの会社で数年経験を積んで、独立したいのかな?」という見方をされる可能性もあります。

理由を説明できるか

就職活動における全てに関して言えることですが、「どんな資格を持っているか」ではなく「なぜその資格を取った(取ろうと思った)のか」が最重要ポイントです。その資格を取得した理由を、自分の考えに基づいて、自分の言葉で、自分のキャリアプランと関連付けて語ることができますか?それができなければ、どんな立派な資格も単なる飾りにすぎません。

逆に言うと、それさえできれば一見して就活にまったく関係のなさそうな資格であっても、大いにアピールポイントになります。ただし、単に面接のネタづくり・インパクトを狙って珍しい資格を取得しようと考えるのは浅薄で本末転倒、一種のギャンブルです。大いに盛り上がるケースもありますが、「???」となる面接官もおりますから、そのつもりで。

おわりに

あなたとまったく同じバックグラウンドを持って、まったく同じ活動をしている人はいないのですから、万人に有効な資格なんてあるはずがない。
これから資格取得を目指している方は、「なぜその資格を取りたいのか」「それが希望の業界で(あるいは自分のキャリアで)どのようなプラスになるのか」をよく考えてから、大切な時間を投資するようにしてくださいね。