こんにちは、渋谷で働く人事のブログです。
今日の書評は、海軍一のダメ軍艦に配属された艦長が、 うだつの上がらない組織を立て直し「強いチーム」を作り上げた物語です。
内容
「できるリーダー」は、何をしているか?
―その具体的思考を明らかにする。はじめての管理職から、企業トップまで
―海軍でいちばんダメだった「軍艦ベンフォルド」を変えたやり方
―これはどんな職場にも活かせる!
( Google Books より)
単なる組織論にとどまらず、ストーリー性があり読み物としても秀逸で、映画にしても面白そうだと感じる一冊でした。
巻末には、訳をされた吉越浩一郎氏(元トリンプインターナショナルジャパン代表取締役社長)の解説という豪華なオマケもついています。
印象に残ったフレーズ
・どんなに最新の装備を持ち合わせていても、艦の運命を左右するのは「人」だ(P.024)
・「もし、このことが明日の『ワシントン・ポスト』の一面に載って全米中に知られることになったら、それを誇りに思うだろうか?それとも、恥ずべきことだと思うだろうか?」(P.049)
・もし議論に負けたのなら、その命令を100%納得して実行することも大切だ(P.052)
・組織に所属するものは、各人がその組織の代表者である。われわれはみな”外交官”であり、それにふさわしいように振る舞わなければならない(P.078)
・生きながらえ、強くあろうとする組織は、時には失敗しても冒険をする人間をたたえ、昇進させるべきである(P.132)
・「おい、今はきみが艦長だ。許可など取らなくていい。責任を持って自分でやるんだ」(P.137)
感じたことなど
軍艦上での様々な出来事が臨場感をもって描かれており、その一つ一つがケーススタディとして教訓に結びついています。
それはすなわち著者があらゆる場面から学びを得たということに他ならず、何よりもその点に頭が下がりました。
軍も会社も組織で活動する以上、「人を動かす」「人に動かされる」面があることは否定できません。
周囲が非協力的であることを嘆き、環境が悪いと愚痴ることもできれば、本書のようにメンバーを変えないままで組織としての成果を上げることも可能。
そのためには、常に「じゃあどうするか?」を考え続けること。と、口で言うのは簡単ですが、実践のいかに難しいことか。
同じく組織で働く身として、お前の至らない点はここだと突きつけられるような気分で読みふけりました。
おわりに
部下と向き合い、相手を信じ、褒めるべきは褒め、認めるべきは認める。
当たり前のようで、これができていない上司のなんと多いことか。
アブラショフさん、良い本をありがとうございました。