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渋谷で働く人事のブログ

渋谷区の一部上場企業で、新卒採用を担当しています。年間1,000名以上の就活生と会う中で感じることや、日々の考えをシェアします。

「話しかけない店員」と採用スタンスの話

こんにちは、渋谷で働く人事のブログです。

先日、こんな記事を読みました。

「話しかけない店員」が増えているそうだ。それでいいと思う。


示唆に富んだコラムですが、この記事については特に新卒採用にも通じるところが多いと感じます。

(以下、引用はすべて上記コラムより)


接客が変わりつつある

昔はアパレル店に入ると面倒くさいほどに店員に声をかけられていたが、最近はその営業スタイルに変化が出ている。要は「ムダに話しかけてこない」のだ。これはハッキリ言って…

かなり賛成だ。

そもそも、洋服店に入った段階で、客は3層に分かれる。
1. 何が何でも洋服を買おうと思っている層。これは…ほっといても服を買う。
2. そして、迷っている層。
3. 最後にただのウィンドウショッピング。

恐らくだが、昔のアパレルではこの「2」を何が何でも獲得せよ!という指令が飛んでいたのだろうと思う。なので、のんびり一人で見たいだけの方々にも、ベッタリと横に張り付いて色々と話しかけていたのだろうと思う。

確かに、思い当たるフシが多々あります。話しかけられたくないときはイヤホンをして聞こえないフリとかしてました。

しかしここ1年くらいのショッピング体験を思い出すと、店員から能動的に声をかけられた記憶がほとんどありません。

これは店としての方針が変わったと考えるべきでしょうが、ではなぜ変わったのでしょうか?

変化の理由

単純にふらっと入っただけの気軽な感じのお店の場合、ほとんどの客は「出来ればほっといてもらいたい」のが心情。言うまでもないことだ。実はこのゾーン3が客層では圧倒的に多いはずだ。

分からないことや知りたいことがあるなら、そもそも「自分から聞く」。

それをしていない段階で、普通のゾーン3に入る客は「ほっといて欲しい」のであるが、そこに営業全開の店員がべた付きしてくる。

出るわな。店を。だって、ほっといてほしいので。

そして、そのゾーン3の客はもう2度とそのお店には立ち入らなくなるだろう。面倒くさいので。ネットなどで見てゾーン1にならない限り。

かつて(10年前くらいまで?)は、洋服を買おうと思えばショップに行くしかありませんでした。

つまり、お店側としては待っていても見込み客が飛び込んでくる状態。

あとは「いかに成約率を上げるか」だけ考えればよく、そのためには「積極的な接客スタイル」が有効だったということでしょう。

しかしネット通販がこれだけ普及すると、接客をうっとうしく感じる層はほぼ店にこなくなる。

試着だけして、同じものならネットで買う。持って帰る必要もないし。送料無料だし。となりますよね。


ショップが「モノを売る」だけの場ではなく「ショッピングという『体験』を売る」場へとシフトしたがゆえに、押し付けは機能しなくなったということ。

つまり「2」を取りこぼすリスクよりも、圧倒的多数である「3」の層への印象を重視して、方針を転換した。

これって合同説明会やセミナーなどにおけるアピールのスタンスにもつながると思いませんか?

採用パーソンとして

ゾーン2のお客は「商品が本当に魅力的であれば」ほっといても買ってくれるのだ。
問題なのは「大して魅力的でない商品」を買わせようとしてしまっている点なことに気付く必要がある。

実はこれはテレビでも同じことが言える。
つまらないテレビだと、ほっといても見てくれない。
でも短期的な視聴率を稼ごうとする。
こういう時に…

バカみたいに煽り、
バカみたいに引っ張り、
バカみたいなテンションでナレーションを入れるから

次にもう見てくれなくなるのだ。黙って読めるネットに流れる。これに気付ていないテレビマンが少なくない。

本来、テレビや情報番組は粛々としていればいい。
そうすれば「本当に見たいニュースがある時」にチャンネルを合わせてくれる。
そこで真面目にやっていれば結局「信頼」が出来る。
無理な煽り企画とかをするので、失敗してくる。

長谷川さんは元・テレビマンですのでテレビ番組と重ねていますが、我々採用パーソンにとっても他人事ではありません。

かつては、ある会社への入社を志す学生は合同説明会に行き、単独セミナーに参加し、適性検査を通過して面接へ…という選考ルートしかありませんでした。

しかしいまや、インターンシップもあればリファラル採用もあり、入社までの道は決して一本ではなくなっている。

だからこそ、自社のよさを声高にアピールするだけの「押し付けの説明」は、もはや通用しないと考えた方がよいでしょう。

CSRCSVが重視される昨今の採用トレンドとも大いに重なるものがありますね。

おわりに

長谷川さんは、上記コラムを「結局、地道に真面目にやるしかないのだろうな」と結んでいます。

目新しい選考や、派手な選考スタイルは目立つのでもてはやされることも多いですが、結局は相手を正しく理解しようと努め、自社のことを正しく理解してもらおうと努めること。

それがお互いのメリットが最大化されるベストなやり方だと思うのですが、いかがでしょうか?