企業研究で必ず見るべき4つの要素
こんにちは、渋谷で働く人事のブログです。
ひとくちに「企業研究」といっても、見るべきポイントはたくさんあります。
ビジョンや環境、経営者など定性的な要件も惹きつけ要素としては魅力的ですが、企業として存続していくためには定量的な強みも避けては通れないポイントです。
それらもチェックしたうえで、最終的に「理念に共感しました!」「人が魅力だと感じました!」といったところに落ち着くのなら結構ですが、それらをすっ飛ばして無形の要素「だけ」に共感するのは、浅いと言わざるを得ません。
重要なポイントは、4つ。
入社してから後悔することのないよう、1つひとつをキチンと見極めてくださいね。
貢献性
企業として存続していくためには、誰かの「役に立っていること」が必須要件。
誰かのニーズを満たすからこそお金を支払っていただくことができるわけで、それができない企業は自然と淘汰されていきます。
志望動機として「人の役に立つ仕事をしたいと思い…」とおっしゃる方も多いですが、それは謂わば最低限の条件。
その会社が「誰に向けて」「どのような」価値を提供しているのか、まずはここをおさえてください。
企業研究より先に業界研究を行うべき3つの理由 - 渋谷で働く人事のブログ
また、事業としての貢献性が求められた時代はすでに終わりを告げています。
CSR(企業の社会的責任)の観点から、環境や地域社会など、いわば「事業以外にどのような貢献をしているか」も、ぜひチェックをしてみてくださいね。
収益性
役に立つ仕事をしていることは最低条件として、それがきちんと収益に結びついているかもポイントです。
ここで気をつけていただきたいのは、「売上」ではなく「利益」をみるべきだということ。
とかく売上の大きさに目が行きがちですが、会社や事業の規模が大きくなれば、売上は拡大して当たり前。
むしろ「利益率」や「社員1人あたりの営業利益」など、どれだけ効率のよい経営をしているかが見るべき点になってきます。
どんなに売上を上げても、赤字続きの企業は長続きしません。
加えて、いち企業の努力だけではいかんともしがたい世の中の流れ(業界全体の縮小など)もあります。
自身の志望する企業が、10年先も50年先も継続しうるビジネスなのかということを、ぜひ視野に入れておいてください。
健全性
どんなに社会貢献性の高い立派な仕事だろうと、収益性の高いビジネスモデルだろうと、それが従業員の犠牲のうえに成り立っていた場合、多くの人にとってその企業で働く意義は薄れることでしょう。
電通の事件をきっかけに働き方改革が大きく取りざたされるようになりましたが、いまだに環境の整っていない企業が数多く存在しています。
従業員に対して健全であることはもちろん、コンプライアンスを含め様々なステークホルダーに対して誠実であるかどうかも重要です。
一般的な社会人の場合、仕事に費やす時間は膨大なものになります。
1日16時間活動するとして、通勤の行き帰りも含めるとそのうち12時間以上が仕事という人も少なくありません。
実に起きている時間の7~8割程度を仕事に使うのですから、誰にでも胸を張れるような仕事をしたいものですよね。
ブラック企業の見破り方 ①四季報編 - 渋谷で働く人事のブログ
ブラック企業の見破り方 ②HP編 - 渋谷で働く人事のブログ
価値観
これらを踏まえたうえで、その企業の目指すところが自分の価値観に合致しているかを確かめていきましょう。
HPやパンフレット、会社説明会などで謳われている「企業理念」や「求める人材像」に照らして、確認していきます。
ここはフィーリングに左右される部分ですので、パッと見の印象で判断してもよいかもしれません。
貢献性・収益性・健全性は左脳で見極める部分ですが、価値観については数値化・明文化できない部分も多いでしょう。
右脳をフル活用して、その会社が大切にしていることがシックリくるか、こないかを判断してください。
もちろんそのためには、自身の大切にしたいポイントが何なのかを自ら認識していなければいけません。
自己分析が不安な方は、下記のエントリーも参考にしてください。
おわりに
もちろん、すべてを兼ね備えた企業は稀ですし、そんな会社でなければいけないというわけでもありません。
収益性が低かろうが、コキ使われようが、その仕事がしたいんだ!という人にはこんな分析は意味を持たないでしょう。
しかし、仕事に全てを捧げたいという方を除けば、これらの視点はクオリティオブライフの向上に欠かせないもの。
収益を圧迫する社会貢献や、素晴らしいビジョンの陰で従業員を酷使するような企業の犠牲には、ならないでくださいね。